先輩が昇進しなかったときの気持ち

冷たい空気が頬を刺すとき

そっとニット帽を被るのです

心が寒くならないように

せめてあたまを守るのです

わたしの目はいつもそうです

だれかの目を見ています

見てほしいと願うのです

見てもらえると信じているのです

見てもらえなかった誰かをみると

切ない気持ちになるのです

わたしもそうなるかもしれないと

ふと首をもたげてしまうのです

堰を切ったようにわたしはおもむろに

わたしの目を探し始めるのです

わたしの目はだれかの目を見ていて

そして誰の目も見ていないことに気づくのです

わたしはどこへ向かいたいのだろうか

わたしに聞き始めるのです

わたしはすぐに答えてはくれません

だれかに聞き始めたりもするのです

わたしはふと気づくのです

わたしが本当に見ていたものに

それはわたしが考えてもいなかったことなのです

戸惑ってしまうこともあるけれど

それがわたしと知るのです